東京歯科保険医協会が総会:坪田会長“報酬改定”の“ポイント・展望”を説明

東京歯科保険医協会が総会:坪田会長“報酬改定”の“ポイント・展望”を説明 行きたかったけど、5月連休後休みなしなんで、ばててさぼりました! 東京歯科保険医協会は6月16日、千代田区・プラザエフ主婦会館で総会を開催し、2023年度の事業報告、2024年度の事業計画など執行部から上程された報告・審議が行われ、すべて承認された。昨年は創設50周年の記念の年にあたり、盛況であり、会員6,000名を超えたことから、新たな展開を周囲から期待をされていることもあり、坪田有史会長(鶴見大学卒・前日本接着歯学会理事長)は冒頭の挨拶で、「浮かれることなく、謙虚・堅実に進んでいきたい」と改めて今後への意欲を示した。引き続き行われた会長講演では“2024年度報酬改定”の“ポイント・展望”を説明。坪田会長は、数字の意味や今後への理解など補足説明を交えながら、全体として改定の基本姿勢については、以下のように説明した。 「健康寿命の延伸や在宅医療の医療提供が喫緊の課題となる中で、その患者の負担割合を引き上げる動きには反対であると明確にしながら、過去の“骨太の方針”を見据えながら、今後を展望した。“国民皆歯科健診”が話題になったが、疾病の早期発見および健康寿命の延伸を求められるとされ、実現に向けてできる限り協力する必要がある。今回の診療報酬改定は異例の改定になったが、“複雑・難解な改定”“新たな項目”“算定要件、加算、施設基準の届け出多数”内容を把握で把握・困難”内容を把握してないと算定漏れもある“と指摘した。なお、“個人的見解もあり”と繰り返し、政策実施の際には患者が負担を気にせず健診が受けられるよう、適切な制度設計が検討されるべきである」とする基本認識を繰り返し強調した。 具体的な項目については次の通り、口腔疾患重症化予防、口腔機能低下対応、生活の質に配慮した歯科医療の視点から、特に歯科補綴項目については、「クラウン・ブリッジ維持管理料見直し」「大臼歯CAD/CA冠の見直し」「CAD/CADインレー」「接着ブリッジの適応拡大」「レジン前装冠の適応拡大」など。特に専門的ではあるが、「歯科矯正相談」にも言及・評価。一部社会問題化された事件もあり、マスコミからの指摘されことと関係ありそうだ。さらに注目されたのが、保険点数に絡む裏事情も説明。「初診料:1点あげるには8億円、再診は32億円必要とされている」ことを踏まえると「改定率からみて報酬本体への予算は十分とは言えず、クラウン・ブリッジ維持管理料(補冠)を金属歯冠補綴物に限って対象外にするなどのスクラップで得た予算が使用されたと想像できる」と私見も。小児歯科の心身の特性からのエナメル質根面う蝕管理として、「う蝕重症化予防のF局の再編、並びにCe、根の医学管理料」の新設。「歯科遠隔連携診療料」新設なども指摘。「歯科口腔リハビリテーション」について、可能性を含めて展望の説明を続けた。 最後のまとめとして「国に良質な適切って良質な歯科医療を提供「保険の不合理を是正させる」「患者に説明できるエビデンスを求める」「」保険請求は“学問”と割り切って学ぶ」「歯科全体が協力して歯科医療費の増費の総枠拡大を」「マイナ保険証と現行の健康保険証の併用」など、今後の歯科医療に臨むとした。同時に「歯科界外部からは、わかりずらいステルス的な対応であり、歯科側も十理解していないと、対応が困難になり、トラブルを招きかねない。実質マイナス改定に関わらず、医療機関に賃上げの負担させるのは財財源確保を優先した恣意的と言わざるを得ない。確かに異例な改定であった」と感想も述べていた。 なお、通常総会後の懇親会が久し振りに開催。元役員、元大学教授等が挨拶・歓談が繰り広げられた。改めて意見交換・現在の歯科界などの表に出せない、個人名を伏す話題があり取材のヒントを得ることもあった。ネット上とは違い、名刺交換を重ね意見効果をすることで新たな人間関係が構築され、その後の展望に有益な存在の礎とされており、“懇親会の意味”があるようだ。組織の基本姿勢・理念はあるが、そのオープンな自由性確保維持に組織の評価があるようだ。某大臣の課題が“絶対に間違いないという不遜な言動”と指摘されているが、“有効な行動力”とは別の理解とされている。 【取材後記】会長自身の講演には、組織と個人のℋ評価があるが、適切に理解しやすい解説であった。診療報酬改定は一応のストーリーがあり、承知の上で報道を受け入れているのが現実。協会として改定報酬の検討・分析が問われているが、問題意識の高さは一目置かれている。日歯とのパイプを有し、日本接着学会会の要職経験などその独特の経験があり、情報の質を担保しており協会として貴重であり、今後も中核なっていく存在であり、その刺激は看過できず、今後の執行部の活動にも期待していきたい。