2024/05/07
2024年度診療報酬改定:多職種連携のキーマンは看護師
2024年度診療報酬改定が終わり、医師・歯科医師・薬剤師は当然であるが、各専門家の評価が出始めており、一部には次のようなコメント発信されている。厚労省としては、以前から2025年度の保障改革を目指して、逐次の診療報酬改定実施してきたが、そのまとめの位置づけであったという。改定全体については、生活習慣病防止で“寝たきりを作らない”という内容になっている。歯科でもその観点を理解して改定に臨んでいたという。生活習慣習慣病防止では、食事・栄養の計画まで求められていた。歯科界では、糖尿病と歯周病の関係は周知の理解であり、病状悪化を防止すると臨床対応は既に実施されている。管理栄養士としては既存の政策である。こうした事実から、歯科受診を促し、さらには、低栄養で“からだの成長不良”から、フレイル(虚弱)の防止も視野に置いている。
フレイルに関しては、日本老年医学会、日本老年歯科医学会、日本サルコペニア・フレイルの3学会合同ステートメントが都内で行われた。オーラルフレイルは、全身のフレイルや筋肉減弱(サルコペニア)、低栄養を引き起こすと考えられているため、医科歯科を中心とした多職種連携のさらなる強化により、予防・改善を図りたいということ。オーラルフレイルの状態が悪化した場合に、口の機能の低下を介して口の機能の障害にいたる。これら の口の機能の低下と全身のフレイルなどが併存することで,生活機能障害や死亡のリスクが高まると考えられる。この要点を概念図(医療関係者向けと一般市民向け)にまとめた。 まさに多職種連携の必要性も問いかけていた。今回の改定では、急性期医療からのリハビリの継続を図るなど報酬においても政策に反映している。特に管理栄養士の介入により、「口腔内の不良などは、誤嚥性肺炎発生の懸念も想定されことから、このケースでも歯科に連絡・報告する連携強化が図られている。まさに、多職種連携に報酬が加算され、「リハビリテーション、栄養、口腔ケアにより健康寿命延伸が図られる認識のようだ」
歯科と介護の関係の課題は必ずしも連携密とは言い難いが、改めて関係を看過できない。繰り返すが、歯科と介護の関係は、クローズアップされることは多くない。平時から患者が置かてれている状態を視野に、入所者への往診や必要とされる場合には、病院紹介をするなどの対応はしている。厚労省としては、医療職の従来の働き方にも一石を投じており、今後の展開が注目されそうだ。リハビリテーション・栄養・口腔ケアの連携を強化したと指摘されている。“歯科領域の口腔ケア”とかつては、当然視されていたが、研究・臨床効果等から、その重要性が多数結果報告を受けた結果でもある。
こうした臨床現場からして、中医協専門委員を務める木澤晃代・日本看護協会常任理事は、マスコミの取材で、2024年度診療報酬改定で特に新設された地域包括医療病棟について、看護師の役割が重要になるとの認識を示した。「看護師が多職種連携の要となり、全体的なケアをしっかりマネジメントしていくことが求められる」と主張。病院機能の在り方も問われているが、今後を展望しての役割としては、「急性疾患の高齢患者に対して、治療を行いつつ、短時間でADLを落とさず、栄養状態・認知機能維の確保が問われてくる。従来は漠然としていた事実もあるが、今回の改定で、明確になり、各専門職の自覚・責務を生むことになり、病院機能の向上、職業意識も新らたになるという。今後“看護師”の存在感が強くなっていくと予想される。「専門職連携のまとめ役は看護師が担います。病院歯科の歯科医師・歯科衛生士も当事者になり、新たな期待を担いそうだ。歯科界では、某企業が水面下で“歯科衛生士生士”の存在を視野に動いているが、日歯は、日本看護協会との関係の再考が問われてきている。今回の診療報酬改定には、歯科界の意識改革も求めていそうだ。