口腔ケア必要性

“口唇口蓋裂児”先天性疾患問わず 口腔ケア必要とし身近な問題意識に 

2024年度診療報酬改定、歯科医師国試発表も終え歯科界の重要な行事を終え、医師・歯科医師には、小学生・中学生等の検診時期を控えていた時期でもあり、生徒には逃げられない事業。歯科検診の実情を口唇口蓋裂児・関係者の言動・心理を含め続けて紹介する。歯科検診日が記されたチラシが配布され、歯科検診日時がわかり早速、カレンダーに○印を記入。「その日まであと何日」と逆算が始まる“歯科検診行事”。その検診も違ってきている、という。“むし歯の数”を互いに言い合う光景はほとんどゼロ。「口腔内を一見して様変わりした」と毎年実施・痛感していると、近年の学校歯科医の一致した意見である。臨床現場では、AI活用の術式も推進されており、ネット時代を実感する時代になった。

歯科ついて“口唇口蓋裂児”は、真向かいに歯科医師がミラー&短針(当時)を持ち、列をなした生徒の口腔内をチェックが始まる。「ジロジロ口唇をみている・自分が口唇口蓋裂児だと理解しているかな」と素朴な疑問。「このことを質問してくるかな」と不安になる。検診待ちのクラスメイトにバレてしまう・・・」と錯綜しながら、黙って口を開く。精神的に“苦痛・葛藤する時間”でもあり、象徴的な臨床現場でもある。
一方で象徴的な出来事も。6月に開催された、母校明治大学校友会東京都支部総会後の幹部有志による歓談の中で、成人矯正歯科で集団被害を生んだ事件が話題。「被害者は当然だが、真摯に臨床に努めている矯正歯科医師や関係者からすれば不愉快だよ。ダメなことを知っているが、言葉巧みに患者対象を募った人間が企画しビ“ジネス化を企画”。協力する歯科医師もいるんだよ。これでも歯科医師を信用しているからね」(公認会計士)。「乳幼児相手の歯医者は大変だな。同じ患者でも、幼児・小児は、歯科医師の言うことを素直に聞くのかな・・・。まあ~、大変だよ」(栄養士養成大学事局長)などの意見を含み、話は外国人の歯並びになり、欧米の俳優の矯正歯科まで広がり、素朴な疑問と期待する意見が続き、改めて小児矯正歯科の難しさ・複雑さ・診療の深さへの理解の議論であった。

一方、 集まった人間の多くは、“口腔ケア”という言葉を知っており、驚かせた。「生活習慣病防止で“寝たきりを作らない”という内容で重要視されているらしい」(木材企業社長)との講釈がスタート(笑)。4月には、フレイルに関しての、日本老年医学会、日本老年歯科医学会、日本サルコペニア・フレイルの3学会合同ステートメントが都内で行われた。オーラルフレイルは、全身のフレイルや筋肉減弱(サルコペニア)、低栄養を引き起こすと考えられているため、医科歯科を中心とした多職種連携のさらなる強化により、予防・改善を図りたいという意図が水面下にある話だとすると、「昔の歯科イメージはない。悪いイメージはないね、“昭和でなく令和の時代”だから(笑)」と孫の歯科検診の様子を繰り返しながら続けていた。

特に管理栄養士の介入により、「口腔内の不良などは、誤嚥性肺炎発生の懸念も想定されている。今後は、リハビリテーション、栄養、口腔ケアにより健康寿命延伸が図っていくと、本学の教授から聞いた」と強調。さらに「精神・肢体不自由者等の障碍者・健常者に関係なく、生を授かった“一人の人間“として健康のために口腔ケアを意識する努力は必要です。口唇口蓋裂罹患者も幼児期・成人期、高齢期になっても食事と会話は、身近にあり、楽しみです。口唇口蓋裂児の親御さんは、自身を含めて“口腔ケア”の必要性の理解必要です」。“口唇口蓋裂”関係者に訴えているようでもあった。